今日から、ひとつ新しい記録を始めます。
これは単なる観葉植物の記録ではありません。
そして、単なる空調機の開発記録でもありません。
人が少しだけ森に場所を譲り、
水と石と土と植物と共に、
心地よい空気を育てていく試みです。
私は長年、水と熱の技術開発を続けてきました。
当社の技術は、工場・倉庫・畜産施設などで実証されている省エネルギー空調技術です。
基本技術は、低温での気化と気液直接熱交換。
エアコンと同等の能力を出しながら、
消費エネルギーを最大90%削減することを目指してきました。
家庭用の小型機も、技術的には設計できます。
しかし、普通の家庭用空調として出せば、
世界の大手エアコンメーカーや安価な製品との競争になります。
そこに、私の求める未来はあるのか。
そう考えた時、私は寝室に小さな森を作り始めました。
最初は、森はデザインでした。
癒しの演出でした。
空調技術を引き立てる存在だと思っていました。
しかし、実際に森と暮らしてみると、違いました。
石と水の蓄熱層。
循環する水。
小さな滝。
酸素を含んだ水。
植物の蒸散。
土の保水力。
葉が生み出す微気候。
そして、ゆるやかな風。
それらは別々の部品ではなく、
ひとつの小さな生命システムとして働き始めました。
森は飾りではありませんでした。
森そのものが、空気を整え始めたのです。
今、この森はまだ未完成です。
けれど、私はこの森の横で眠り、仕事をし、毎日観察しています。
室温、湿度、水温、植物の成長、魚の様子、体感の変化。
すべてを記録しています。
今年の猛暑を越える頃、
この小さな森は、ひとつの答えに近づいているかもしれません。
エアコンを否定するのではありません。
機械だけに頼る未来から、
森と機械が静かに助け合う未来へ。
人が一番長く過ごす寝室から、
森と共に休み、回復し、眠る空間を作る。
それが、今日から始める新しい開発記録です。
この森は、まだ商品ではありません。
しかし既に研究所であり、
そして私自身の小さなユートピアになり始めています。
世界にこの森の奇跡を告げよう。
ただし売るためではなく、
誰かが自分だけの小さなユートピアを見つけるた
